砥部焼とは

砥部焼は気軽に使える手作りの和食器です


美しい山なみに囲まれた愛媛県砥部町。
自然あふれる豊かな地で砥部焼(とべやき)は作られています。


砥部の象徴「障子山」

●砥部町は「清流とほたる みかんと焼きものの町」

「清流とほたる みかんと焼き物の町」砥部は愛媛県松山市からバスで南へ約40分の山間にある自然あふれる小さな町。

町を散策すると100近くの窯元があり、焼き物の町らしい風情をかもしだしています。

230年の歴史ある砥部焼は1976年には国の『伝統工芸品』の指定をうけ、現在も手作りと手描きの伝統を受け継ぎ大切に作り続けられています。

●砥部焼は長年に渡り愛され続けています

安永6年(1777)。藩主加藤泰時が産業を盛んにし、藩の財政をたすけるために磁器生産を思いついたのが、砥部焼のはじまりです。砥部町で産出されていた良質の 砥石・伊予砥の砥石屑を原料として砥部地方の窯業は発展していきました。

砥部焼の白磁は真白でもなく黄ばんでもおらず、独特の落ち着いたあたたかみ があります。その素朴な形と味わいある色は、長く人々に愛され続け現在では100近くの窯元たちが時代にあった工夫とデザインを重ね、さらに発展を続けています。


愛媛県の伝統工芸品 砥部焼


●砥部焼はいい器を気軽に使いたい方にぴったりの和食器です

砥部焼の代表的な器「からくさの玉ぶち鉢」

あたたか味ある地肌の「陶器」と比べて「磁器」というと冷たいイメージがありませんか?
砥部焼は「磁器」ですが、象牙色のあたたかみある白磁なので冬でも冷たさを感じさせません。

厚手でぽってりとした重量感、あたたかみある白磁の肌に、味わいある素朴な藍色の絵付けが魅力。

和食器のなかでも特に丈夫といわれるほど、強く扱いやすいのですが、そのぶん重たいのが欠点だともいえます。

でも、愛用していくうちにその重たさが「頼もしさ」に変わってくるから不思議です。


砥部焼の特徴はなんといっても『ぽってりとした白磁に藍色の染付』

砥部焼の特徴について
砥部焼・陶房遊 彩り紋の花皿

白磁に藍色が基本の砥部焼ですが、赤絵や色絵付けの作品もあります。

最近では、若手の作家さんの斬新な作品も増えてきました。

写真は陶房遊・松田啓司さんの花皿。色とりどりの和柄の絵付けは今までの砥部焼にはない新しさを感じます。

そんな若手作家さんの新しい作品も素朴なぬくもりを感じるところが砥部焼の魅力なのかもしれません。



●陶磁器には原料の違いにより主に「陶器」と「磁器」に性質が分かれます
砥部焼は『磁器』の和食器です


陶器の器
陶器とは
「土もの」といわれる陶器の原材料は陶土です。

焼成温度は磁器よりも低く、約1200度程度。素地に空洞があるため軽く、地肌は素朴な深みがあり味わいがあります。
しかし、低温で焼くため割れやすく、素地は吸水性があるため、使用前に水に浸したり(食べ物のしみを防ぐため)使用後もよく乾燥させるなど丁寧な扱いが必要となります。
代表的なものに益子焼、信楽焼、萩焼などがあります。

砥部焼は磁器の和食器です
磁器とは
一方砥部焼は「陶器」ではなく「磁器」にあたります。

磁器の原材料は陶石で、焼成温度は一般的に高く、1300度前後なっています。
素地は細かく高温で焼くためかなり硬くなります。
原料に鉄分が少ないので、美しい絵付けが映えるなめらかな白い地肌が特徴です。
砥部焼のほかに代表的なものは九谷焼、有田焼などがあります。


●砥部焼のお取り扱いにつきまして

使いたいときにさっと使え、丈夫で扱いやすい。
砥部焼は長年愛用でき、使うたびに心をなごませてくれる「まいにちの器」にぴったりの和食器です。

*「陶器」のように煮沸など特別なお手入れの必要はありません

食器洗浄機もご使用できます。茶渋などの取れにくい汚れが付いたときも台所用漂白剤が使用できますので
つけ置き洗いをすればピカピカに。

*ほとんどの砥部焼は電子レンジのご使用が可能です。(金彩が入ったものはお避けください。)

*藍色の絵付けだけのものでしたら、オーブンも使用できます
(その他の色は上絵付けのため、変色の可能性があります。)

*金属たわしのご使用は表面に細かなキズが入ったり、上絵付けが剥れるおそれがありますのでお避けください。